uwabami days

アーティスト活動を生業とする三鷹在住アートユニットuwabamiの日々

NYの地下鉄をキセル

こんにちは〜!
ムトウでございます。みなさん調子どうですかー?僕は元気にやってますー! 

NYの展示も終わり一段落していたら、NYでキセルを元気にしたことを思い出したので、そのことを書こうと思います。
NY30日目。日本に帰るその日、僕たちの所持金は1ドル数セントだった。29日目にメトロポリタンミュージアムに行き、そこで使い果たしてしまってたのです!でもでも、泊まっている宿には食料が残っているし大丈夫っしょ〜っと考えていました。乗り放題のメトロカードも持ってるシー!

朝、残りの食料を完璧に使い果たし、荷物もスーツケースに押し込めていざ空港へ!!

メトロカードを持って地下鉄に乗り込もうと、カードを改札口に入れると、、 

 

ビーー!エラー!

 

あっ!そのときは頭真っ白になりました。笑

もう一度試してもエラァー。

 

アメリカに「はいだめ〜〜〜!日本帰っちゃだめ〜〜」

って言われてる気がしてすごく焦った。

 

オッケイ。いやOK。出れないのはわかった。まずは落ち着こう。大丈夫!現金は無いけれどカードは持ってる。先月のカードの引き落としもしっかりこなしたし、大丈夫。二人合わせて3枚カード持ってるし…。大丈夫…。

クレジットでカードにお金をチャージすればいけるんじゃないの?ってことで、メトロチャージ機に向かうuwabami。

 

チャージ機のわけわからん英語に苦戦しながら、チャージの欄へ。メトロカードを入れて、チャージする金額を選んで、お金はないからクレジットカードを入れて、はいチャージ!!!!っと、思ったら現金しか使えない!!えっえっ。。現金は1ドルしか無い!やばい!空港まで一人2、5ドル必要!帰れない!!!!

 

このときはさすがに焦りましたねー。絶対帰れると思ってはいたけれど、結構焦ったね〜。

 

帰れない危険性が出てきて焦り始める。話会いをしてどうするか決める。その間にも飛行機の時間は迫る!!どどどど。焦る。これからの選択肢としては2つだ。

 

1、駅員に相談する。

2、キセルする。

 

1、駅員に相談すれば、多分入れると想定。でもチャージができるかは謎(古い駅だったし)。しかも時間も迫ってる。しかも、駅員さんに事情を説明するのめんどくさい。

2、1ヶ月間のNY生活で判明したことだが、NYでは簡単にキセルが出来る。なぜかというと、NYの地下鉄には改札口の他にエマージェンシードア(緊急ドア)がある。緊急のはずだけどみんな普通に使っている(一応開くとビーーー!って音なる)。改札口は一人づつしか入れないディズニーランドの入り口のような形式だけれど、エマージェンシーの方は小学校とかにある非常口みたいにゆっくり開き、ゆっくり閉じるドアである。だから、誰かが出たり入ったりしたその瞬間に一緒に入ればお金を払わずに電車に乗れる。

 

 

2で行くぞ。決断しました。

 

 

決断したら、疑問をもたずやりきることが大切です。

駅員さんにバレない様に一度改札口から離れ、さも今から電車に乗るんだぜって空気を演出。「1ヶ月間あっという間だったね〜。また来たいね〜。」

 

でも、僕たちだけでは入れないからエマージェンシードアを使いそうな人を待つ。エマージェンシードアを使う人は普通の改札口には入れないほどの荷物を持った人か、けがをしている人か車いすの人である。

丁度そのとき、大きな荷物をもったおばさんが来てエマージェンシーに近づく。

 

 

来た。今でしょ。どきどきどき。

 

 

おばさんがメトロカードを機械にスライドさせ、エマージェンシードアを開ける。

 

 

僕たちも普段とおりメトロカードを出す。でもこのメトロカードはもう使い物にならん。ただの紙くずだ!!

 

 

おばさんの後ろにぴったりと近づくuwabami。駅員は後ろの方にいる。絶対いる!見てるかな??でも日本人は金持ちと見られがちだから、まさかキセルするとは思わないだろう!スーツケースも新品だし、お金はあるように見られてるはず!!そうだ!そう信じたい!!

 

 

ドアがあいた。よし!!!ただの紙くずのメトロカードを機械に、スライドさせるフリをする。1ヶ月間毎日地下鉄にのり体にしみ込んだ動作だ!目を閉じても体が勝手に動いた。

 

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スっ!!!(メトロカードを機会に通す音)

よし。あぁあ!!30日中で一番美しいスライドだ!!! お金は払ってないけど!

 

 

僕が美しいスライドを披露した。

 

 

スっ!!!!(メトロカードを機会に通す音) 

その後、はらだも美しいスライドをする!!素晴らしい!!!美しすぎる!!

スライド選手権の日本代表になれるぞ!!ジャパン!

 

 

そうしてなんとか構内に入った僕たち。入ってからもその改札口は振り返られず、そのままエレベーターにー!すぐにホームに出た。

 

3秒間くらいの短い時間ですが、ものすごくドキドキした時であった。そのときの感覚はマラソン20キロ走り終えたくらいの開放感だったと思う。僕たちはまじめだな〜。