uwabami days

アーティスト活動を生業とする三鷹在住アートユニットuwabamiの日々

アブ・シンベル神殿、世界最強の自己顕示欲にしびれる!

憧れのアブ・シンベル神殿に行ってきました!

アブ・シンベル本当すごすぎ!!

まずは写真をご覧ください!

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でかい!!!!!!!!!

 

とにかくでかい!

 

アブ・シンベル神殿とは建設王ラムセス2世が自らを神として崇め、権力を示すために大きな岩盤の山から削り出して建てた神殿です。数ある遺跡群の中でも最南にあり、ナイルの上流側にあたります。

ラムセスの功績を称えまくる大神殿と、ラムセスの最も愛した奥様ネフェルタリのために作られた小神殿があります。

この写真は大神殿の正面です〜!どど〜〜ん!

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 この像、左から順に30歳、405060歳のラムセス2世をあらわしていると言われているそうです。

確かによく見ると顔も体も左のほうが引き締まっているかも!
ラムセス2世は奥様が54人、子供が111人もいる超ビッグダディです。しかも平均寿命が70歳の頃に90歳まで生きた長寿マン!60年もエジプトを治めていました。
この4体はみんなラムセスで、足の間にいるのがキッズ達です。
そして入り口正面の両側に立っているのが奥さんのネフェルタリ。正面にはハヤブサの頭を持つホルス神が描かれています。

 

や~。アニメーションを作るために資料でずっと見てきた神殿ですが、やっぱり実物は本当にすごい!!パワーが違う!!!
こういうものは生で見るのが一番いいと痛切に感じました。

 

【目次】

 

アブ・シンベル大神殿を見てみよう!

入り口の両サイドの巨像の足元にはラムセスがとらえた敵たちが描かれています。ちゃんと顔や服装が違うのがおもしろい!

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入り口には鍵を持つおじさんがいて、鍵を渡して写真を撮っていいと言ってきます。
ここで写真を撮るともれなく1ドルせがまれますので、撮りたくない人は鍵を受け取らないようにしてください 笑

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中に入ってまず出迎えてくれるのは列柱室。4体ずつ2列、計8体のラムセス2世がオシリス神のポーズ(胸の前で手をクロスするポーズ)で表されています。
ぜ〜んぶラムセス2世の柱。どんだけ自分大好きなんだろう、この王様は。

 

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そして壁にはたくさんのレリーフ。

一番感動したのはやっぱりこれ!カデシュの戦いの様子が描かれたレリーフです。
想像したより大きかった!そして美しかったです!

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uwabamiのエジプトアニメーションを見た方ならお気づきかもしれません、この戦車。そう、これを資料にして描いたシーンがありますからね!お気づきにならない方はまだ見たりないということでこちらのアニメをよくご覧ください!

 www.youtube.com

 

そしてこれ、なんか弓とか腕が2重に描かれてますよね? 

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(※買った写真集より)

これは一説によると動きの激しさや躍動感を伝えるためにわざとこうしたのではないかと言われているそうです。

他の遺跡では同じシーンでもこのような描写はないため、ただ間違えただけじゃないかとも言われているそうですが、私は躍動感説であってほしいなと思います。
だってこれ、もしかしたらこれは人類初のマンガ的表現かもしれない!!!

すごいな、このレリーフを掘った人!

 

美しい体のライン!

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これはたくさんの敵の髪の毛を束にして掴んでいるところ!千手観音を倒すシーンではありません!

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前室はお祝いやお祭りの様子が描かれていたり、様々な神様たちが描かれています。

あ!この兵士も見覚えある〜!親近感!!!

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これはペットのライオンを連れて散歩しているラムセス2世だそうです。優雅ですな。

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一番奥には至聖所という神様と王様が会う場所があります。

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右から、ラー・ホルクアティ(ホルス神)、ラムセス2世、王の守護神アメン・ラー、造仏神プタハです。みんなお利口さんに座っていますね。

 

みんなだいぶ削られちゃってかわいそうな状態ですが、お腹のあたりの膨らみやヘソのくぼみを見る限り、美しい像だったんでしょうな~。

有名なのは10月22日と2月22日に太陽の光がちょうど右から二番目に入るラムセスの像のところを照らすというスペシャルラムセスDAYがあります。これはラムセスの誕生日と王に即位した日にちょうど光が差し込むよう設計されたそうですよ!すごすぎますね!建築家も天文学者も本当にすごいな~!!!

 

奥は死者の書のパピルスが置かれていたという図書室や、倉庫などの部屋もあります。

でもやっぱり列柱室のあのレリーフと比べると、下っぱが彫りましたって感じでちょっと荒いです。

 

でも色が残っているところもあったり、3200年もの時を超えて今現存しているという奇跡を目の当たりにすると、自然と涙が出てきます。(この神殿の建設は紀元前1275〜1269年頃)

 

アブ・シンベル小神殿を見てみよう! 

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小神殿は内部撮影が厳しかったので外観のみ!

これはラムセス2世が1番愛したという奥様、ネフェルタリさんのために作られた神殿。や〜。ルイ14世は愛人に城をあげちゃうし、ラムセス2世は奥さんに神殿をプレゼントするし、王様って本当にスケール感がハンパないな〜!!

ラムセス、ネフェルタリ、ラムセス、ムトウ、ラムセス、ネフェルタリ、ラムセス、、、と交互に巨像が並んでおります。

このように王様と王妃が同じようなサイズ感、扱い方で表されているのは大変珍しく、この神殿だけだそうです。

一説にはラムセスは愛妻家ではなく、奥さんが怖かったからこの神殿を建てたのではないかと言われているそうです。何故かというと、お墓も別々だからです。愛していたなら同じお墓にいれると思いませんか?ん〜、確かにそうかも!
ネフェルタリはヌビア系で目が大きく黒い肌でとても美人だったとか。ネフェルタリは「最も美しい女性」という意味だというので、名前相応の方だったのでしょうね。
中はネフェルタリが様々な女神たちと共に描かれております〜。
でも残念!ネフェルタリは完成する前に40歳代でお亡くなりになったそうです。

 

 

アブ・シンベル神殿までの道のり

 

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これがメチャクチャ遠いんです!!!

アスワンから車で3時間!そして必ず警察が付いてくるというオプションつき!警察が付いてくるのはアブ・シンベルが政府の管理のものだからと、ものすごく広くて何もない砂漠の先にあるので、途中事故などがあっても誰も助けに行けないからだそうです。危険な訳じゃないのよ!
そして警察つきでみんなで移動することを「コンボイ」というらしい。
全ての観光客はコンボイ無しにアブ・シンベルの観光には行けないことになっているそうです。こりゃあ自力でくるのは大変!ツアーでよかった 笑

そしてコンボイは決まった時間にしかないので、遅れるとアウト!かなり待たされちゃいます〜!警察はとても気まぐれで、付いてくるときも来ない時もあるらしい。なんだか適当だな〜。

 

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道中は最高に何もない砂漠!!!
本気の砂漠すぎ!ここで置いて行かれたら確実に死にます!
蜃気楼も普通に見えます。なんか物語だけかと思ってた世界がここにあるって感じで、不思議で仕方ない。
帰りのバスでは日が暮れて夜空が満点の星空になりました!何もないってすごい!!! 

と、ようやくアブ・シンベルに到着してバスを降りても巨像たちの背中側なのでまだ見えません。

 

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チケットを渡して中に入ってもまだ見えません。じらすな~。

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まだ、、、見えない。

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結構遠いんですな。まだ、見えない。

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あ、横顔が見えてきた!!

 

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見えた~!!!!

 

という訳で、アブ・シンベル神殿は最高に遠いところにあります!でも確かに行く価値がある!!!!いつか自家用ジェットとかで行ける日が来たらいいのにな〜!

水没を免れた神殿

 

実はこのアブ・シンベル神殿、ナイル川の水の管理のためにアスワンハイダムを建設すると決まった時点で水没してしまう予定でした!なんてもったいない!!ということでユネスコが世界各国に呼びかけて救済された神殿の一つなんです。

神殿は小さなブロックに切断され、1963年から5年かけて移動したんですって!そして移動前と同じ感じになるよう再現したのが今の神殿。その移動建設の様子がこちら。

 

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よかった~。水没しなくてよかった〜!!ユネスコありがとう。感動をありがとう!
また来たい!!ありがとうアブ・シンベル〜!

 

 

 気になるお値段

アブ・シンベル大神殿小神殿共通
1枚100L.E. (1600円くらい)